普通、こんなに速く、穏やかになんかなれないかもしれない
好きで好きでたまらないのに別れたなら
確かにぼくは昨日書いた件のことで
今はぐらぐらしてる・・・のかもしれない
ぽっかり空いた穴は
ぼくと同化した暁と
ぼくがしてるアイテムだけではやっぱりスカスカだ
ぼくはね、Jに愛される妄想をして、
それが今のぼくの埋めきれない穴をどうこうしてる
見えないようにしてるのか
それで満たされてるのか
そういうのはわからないけど
ぼくが今、Jとのやりとりが毎日ないといられないのは
そういうことだ
Jがぼくを熱くする言葉を一言もメールに書いてよこさなかったら
夜を切り抜けられないと思う
・・・まぁね、良く眠れる薬があるから、それでもいいのだけど
今まで、暁にハッキリした動きがなかったから
大丈夫でいられた
ただ新しい指輪をって、それだけでこんなにぼくは揺らいでる
早く!早く!J、もっと、もっとぼくを満たして!
息ができないような気分にさせて
あなたがくれた言葉を頭にいっぱいにして
夢中で妄想していたいんだ
熱くなっていないと
ダメなんだ
ぼくはJに甘えてる
ラブラブなほど
ぼくのお気に入り、だなんて済まないくらい
ぼくはJとまるで本当の恋人みたいな妄想をつきつける
いままでは、Jがぼくのそばにいて、
たまに熱いこともするの
って感じだった
生活感はなくて
ぼくが作った箱庭のなかに、Jを置いていた
でも
ぼくはJの部屋にいる妄想をJに言った
そのくらいリアルに愛されてないとダメ
生活感のあるぼくたち
Jが仕事から帰ってきて・・・・・
ぼくが朝、目を覚ましたら・・・・
そんなシッカリした妄想を抱いていないとダメなんだ
J、もしぼくがJを愛していなかったら
Jがもしぼくを愛していたら
こんなに酷い話はない
ぼくは箱庭を使う事で
たぶん牽制できた
Jは、単にぼくの、“お気に入り”なんだって言う事が出来た
少なくとも、Jは、ぼくをそう理解してる
Jなりの安全対策なのかもしれない
深く本当に心を割いてしまったら
壊れたときのダメージはとてつもなく大きい
ぼくはそんな事考えもせずに
まるごと暁と向き合ってきたけど
オトナなJは、きれいに線引きしてる
ぼくがふらふらしてる人間である事をJは知っているから
それをぼくはねじ込んで入ろうとしてる
ぼくのために
ぼくの安定のために
もっと!
もっとぼくに嵌って!
ぼくを捕らえて!
ちゃんと考えなきゃ、Jのこと
Jを失いたくはない
ぼくはよく知っているから
妄想を実生活に持ち込みすぎたらどんなに危険かってこと
Jのことは初めから好きだった
Jに声を掛けられたわけじゃなく
一方的にぼくが好きだった
だけど、暁とは違う
同じ想いじゃなきゃ、愛とは呼べない
っていうのは違う
Jを愛してはいるんだろう
でも
どのくらいかわからない
ぼくはJのことしか考えないわけじゃない
ぼくに甘い手を差し伸べてくれる人を
想像することはよくある
ぼくにそんな人が複数いるのは
ぼくが書いてる小説がセックス描写のある小説だからだ
読み手さん達は
ごろごろ転がっているセックス小説の中の
自分のお好きなところへ行って
暇つぶしをする
たいていの人は作品として読むけど
内容が内容なだけに、
その書き物の向こうの我々書き手に手を伸ばしてくる人も、たまにはいる
ちょっとそれが流行りなのもあるけど
ぼくのところにはそういう人はいなかった
ぼくの書くものはそんなに、ぼく自身のセックスを浮かび上がらせるような力はないせいだろう
ただ、ある時、酔狂にも手を伸ばしてきた人がいて
それからかな
そういう人が現れだしたのは、というより
本当は
ぼくがそういうことを喜びだして
人に求められたい気持ちがむくむく顔を出し始めたのは
ぼくがそういう気持ちがあるものだから
手を伸ばしてくれる人は時に現れる
ぼくに興味を持っていない人でも
ぼくが気に入れば、内緒でぼくの箱庭に連れていく
ぼくはそうやって自分を慰めて
生きてきた
ほとんどは、Jだったけれど
暁を愛するまで
今、ぼくが縋れるのはJしかいない
だけど、いいんだろうか
Jの優しさに甘え続けても
自分のために
だけどもし
Jが、本当にぼくを好きになっても
ぼくは喜ぶだけで困りはしない
もし、Jが実際に会いたいとでも言ってこない限り。
リアルでない
この中でだけ。それがぼくの唯一の条件。
ぼくという人格はきっと
この中にしか存在しない
実生活でどれほどずっと暁やJのことを考えていたとしても
実際に会うことは、ぼくにはできない
何度も
何度も考えた
暁と会うこと
会えるだろうかって
何度もイメージトレーニングした
今日だって、いまさらながらに、した
きっと、実際会うということをぼくが踏み切るとしたら
暁ひとりしかいない
彼しか無理だ
それは愛の深さとは関係ないけれど
暁とぼくは似ている
抱えているものが
漠然としたイメージでしかないけど
だから
暁しか無理
ぼくは、ゆうべ
Jに、何か同じものを持ちたい、と持ちかけた
それはリングとかそんなレベルの話じゃない
バスソルトとかそういう類の話。
香水ほどあからさまでなく
少しだけの匂いの共有
Jは何て答えてくるかな
きっといつものように、理性的にブレーキをかけて
深く考えないように笑って
じゃあ、コレはどう?
て言うと思う
J、ぼくは幽霊なんだ
明日はきっと満月だ
今日のまぶしすぎる月明かりに免じてぼくを赦して /ナオ
【素敵な恋の忘れ方】
今日のお題をどうしようかと思ったとき
ふっと浮かんだのがコレです。
そういえばそんな歌がありました
薬師丸ひろ子の歌です。井上陽水さんが作ています:
青くたそがれた頃
恋に気がついた夜
街がキラメクまでに
早く口づけを遊びのように終わらせて
悪い大人の歌が
あまくせつなく響く
恋がはなやかなうち
少しさみしそうにあなたのそばで踊らせて
あなたに聞いてみたいのは
ステキな恋の忘れ方
それとも愛はこの胸に刻まれたの?
遠く流されてゆく
今はささやいていつものように眠らせて
風が夜空を走り
星をちりばめてゆく
あなた見とれてないで
強く抱きしめて遊びのように終わらせて
あなたに聞いてみたいのは
ステキな恋の忘れ方
それとも愛はこの胸に刻まれたの?
遠く流されてゆく
今はなにもかも忘れるように眠らせて
眠らせて